コードネーム





今日は朝から緊急会議。

テーブルの周りをジン、ウォッカ、ベルモットそして私が囲んで座っている。


「確かにコードネームそろそろ付けないとダメよね。」
ベル姐が頬に手をあてながら言った。

「やっぱジンベースの酒がいいっすよね!!」
ウォッカがジンの方を見ながら言ったが、ジンは鼻で笑い銀髪の奥でニヤリと笑った。

「ジントニックはどうかしら。」
「どんな酒なの?」
私がベル姐に問いかけると、にっこり笑って答えてくれた。

「ジンベースの酒で、最もポピュラーで簡単に作れるカクテルよ。」

「ホワイトレディはどうっすか?」
「この間バーで頼んだやつ?」

ジンの髪の秘訣を知るべく、立ち寄ったバーでジンがオーダーしたやつだ。
乳白色の綺麗なカクテルである。
「あぁ見えてホワイトレディはアルコール濃度が高いんだぜ。ベースを変えればいろんなバリエーションが楽しめる。」
「えっ!?アルコール高いの!?甘そうな色してるのに…」

「ジンは麗華にはどんな酒がいいと思う?」
ベル姐がジンに聞いた。

ジンが私にコードネームを与えるなら…
どんな酒だろう。
「そうだな…







ブルームーン。」



ジンは意味あり気な顔をしながら言った。

「え、ブルームーンですかいι?」
「あら。顔に似合わずロマンチックな事言うのね。」
「…その言葉を聞くのは二度目だ。」

ウチは、思わず笑ってしまったが…
…わからない。
「なんで、ブルームーンなの?」
っていうか、どんな酒?

「直訳の¨青い月¨とは裏腹に、紫色をしたジンベースのカクテルだ。アルコール濃度も高めで中辛だ。」
「綺麗な色なのよ。魅力的でミステリアスな麗華には合うわ。」
「私、全然魅力的じゃないよι!!」

と、ウォッカが不思議そうな顔をして
「でも確か…ブルームーンの酒言葉って¨無理な相談¨っすよね?」

何それ!?
無理な相談って…

つか、酒言葉なんてあるんだ…

「あらウォッカ、ブルームーンの他の酒言葉知らないの?」
『他の酒言葉?』
ウチとウォッカの声が揃った。

「ふふ。あのねぇ…」
「ベルモット、黙れ。」
「いいじゃない。」
「ダメだ。少なくとも麗華には言うな。」

結局ブルームーンの酒言葉は教えてもらえなかった。

まぁという訳で私、本日よりコードネーム¨ブルームーン¨になりました!!

(でも麗華で呼び慣れたジン達は、その後もコードネームでは呼ばないんだけどね…ι)


*その後のジン達は…


「何なんすか?ブルームーンの酒言葉。」

「ウォッカなら教えていいんじゃない?」

「………勝手にしろ。」

「ふふ。まったく、世話が妬けるわね。…あのね、ブルームーンの酒言葉には他にも意味があって、¨叶わぬ恋¨¨完全な愛¨って意味があるの。」

「へぇ。兄貴、意外とロマンチックな事しやすね。」

「…3度目だ。」

つづく



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