学校




「学校!?」

私は今、ジンに組織の仕事をしながら学校へ通うように言われた。

「いつまでも休んでると怪しまれるだろ。それに、このままじゃ退学になって就職できなくなるじゃねぇか。」
それもそうだけど…
っていうか、組織の人間が就職とか考えてどうするι?

「バカ、ベルモットだって女優やってんだ。もう一つ仕事もってる方がいいんだよ。」

ふぅん。
でも…学校行きながら組織の仕事もって…

「いいから、明日から学校行けよ。」






「ちくしょう…。道がわかんねぇって…」
「だって、今はジンのアパートにいるんだもん。道わかんないに決まってるじゃん!」

だから私は、ジンのポルシェで送ってもらっている。
道を覚えるべく、さっきからずっと窓の外を眺めている。

「帰りは歩いて帰って来いよ。」
「うん。」

帝丹高校につくと、登校中の生徒が珍しい車に驚いてこっちを見ている。
出るのが恥ずかしかったけど、車から出てジンにお礼を言った。


教室に入ると、同じクラスの蘭が話しかけてきた。
「麗華!久しぶり!大丈夫?風邪治ったの?」

か、風邪!?
ジン…ありきたりな設定すぎι
「大丈夫、大丈夫!ところで、新一君は?」

いつも蘭は幼なじみの高校生探偵の工藤新一と一緒にいる。
あ。最初の頃、私の友達に彼氏ができて…とかいう話、蘭の事。
付き合ってるわけじゃないみたいだけど、両想いってのは見え見え。
「新一、ずっと学校来ないのよ。」
「へぇ。どうしたんだろうね。」
「そんな事より、お父さんの仕事が順調なの!推理は当たるし!」

そこで、私は思い出した。
「もしかして、眠りの小五郎ってやつ?」
ニュースでやってた。
興味なかったから、よく聞いてなかったけど…

「そうそう!コナン君が来てから妙に調子よくって。」
「コナン君?」
「最近うちで面倒見てる子なんだけど、その子が来てから調子よくって。」
ふぅん…。
コナンか…





放課後、私は蘭と鈴木財閥の娘の園子と一緒に帰った。
そこに一人の男の子が駆け寄ってきた。

「蘭姉ちゃん!一緒帰ろう。」
「うん。いいよ。」
「蘭、その子がコナン君?」

赤い蝶ネクタイにメガネ。
身長は私の腰くらい。
「そう。この子がコナン君。」
「はじめまして。僕、江戸川コナン。」
「中島麗華よ。よろしくね。」

見ると、コナン君が真剣な顔で私を見ている。

「どうかした?」
「う、ううん!別に!」

少し気になったけど、私はジンのアパートに帰るため蘭に言った。
「じゃ、ちょっと寄る所があるから…。じゃあね!」
今までの家に帰る道を歩いていてはいけない。

振り向くと、コナン君がこちらを鋭い目で見ていた。

…なんなの?あの子…。






「ヤバい…。迷った。」
夕日が沈みそうだ。
「こんな道通ったっけ?」
途方に暮れている私の目の前に一台の車が止まった。

ポルシェ356A。

ジン!

車の窓が開いた。
「ふん。来て正解だったな。」




「ありがとう///」
「お前の事だ。迷うのはわかっていた。」
笑いながら言うジンに私は頬を膨らませた。
「なにさ!わかってたなら最初から学校に迎えに来てくれればいいじゃない!」
「そんな事したら、お前の途方に暮れた顔が見れねぇだろ。」
「この超ウルトラスーパードS!!!ねくら!ロン毛!ロリコン!」


でも、迎えに来てくれたのは嬉しかった///

「明日も送り迎えしてくれる?」
「バーカ、誰がするか。」




*おまけ*
「兄貴、とりあえず座ったらどうですかい?」
兄貴はさっきからソファーの所をあっち行きこっち行き…

理由は、麗華が無事に帰って来るか心配で…

するといきなり兄貴が止まった。

「ちょっと散歩に行ってくる。」

はいはい。
麗華を迎えに行くんすね。
正直じゃないんですから…


兄貴はそう言うと、一目散に外へ飛び出して行った。

つづく



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