「むむむむむう…」 「…おいクララ、アイシーはどうしたんだ」 「ガゼル様、あれを」 うなる私を見かねて、ガゼル様がクララに問う。彼女がびっと指をさした先には、私がうなる原因であるなまえと兄さんがいた。ガゼル様がぴくりと眉を顰める。 「…ふうんそういうこと」 「ガゼル様、キャプテン権限でどうにかしてくださいよ」 「人の恋路を邪魔するほど野暮ではない」 「それに今の二人はただブロック練習してるだけだしねえ」 またもアイスを頬張りながらクララがどっちの味方ともとれないことを言った。確かに彼女らは今は練習をしているだけだ。そう、練習。だから私が気にやむ必要はない、ないのよ! 「なまえ、やれば出来るじゃないか!」 「あっありがとうございます!」 だむだむだむとサッカーボールをバスケのようにグラウンドに打ち付けると、ガゼル様がハアとため息をついた。「止めてよアイシーグラウンドに穴が開くわ」うるさいうるさいうるさい! |