意味わかんない!私はそう叫ぶけど、レアンは落ち着きはらった表情を浮かべていて、私はそれが『コドモとオトナの差』を表されているようで、はらわたが煮えくり返るような気分になったのだ。 私とレアンの歳の差はないけれど、そこには確固とした壁があるかのようだった。 「だって、レアンはなまえのことが好きなんでしょう!だったら、あんたは私の敵よ!恋敵よ!」 「だから違うって。私はなまえのこと好きだけど、別に恋愛感情があるわけじゃないの。あんたを試してたのよ」 「た、試して!?」 飄々とした態度に苛々しながらも、私はきっとレアンをにらみつけた。 「あんたがなまえの事を本当に好きなのか、確証を得たかったの。ついでに、けしかけもしたかった」勝手につらつら言葉を並べていくレアンの表情は、幾何か子供っぽくて、でもやっぱり、私とは違う表情だった。 私がなまえの事を好きだというのは結構昔からだから、知っているひとは知っているくらいだ。レアンもそうなんだろうけど、でも。 「あんたさ、あの子のことが好き好き言ってても行動に移さないじゃないの。口ばっかり達者で…そんなんだから、兄に遅れをとるのよ」 「う…うるさいわね、そんなのレアンには関係ないでしょ!」 「関係!?おおありよ!あんたがノロノロしてるから、バーン様もなまえのこと…」 「バーン様?」 「…」 よく分からないけど、レアンの言い分はあっている。私はあの子の事大好きだけど、でも、やっぱり迷いがあるのだ。私は女でなまえも女、そして、なまえは兄さんの事が好きなのだ。 押し黙った私をどう解釈したのかはわからないけれど、レアンは「兎に角」と声をあげた。心なしか苛立っているように思える。 「私はあんたに協力するの、アイシー。だから絶対、ぜったい!なまえをモノにするのよ!」 「え、え……わ、わかったわ!」 ぎゅっと手首を掴まれて熱のこもった声音で言われたらそりゃあ私も驚いて頷くしかないわけで、かくして私の事を応援してくれる友人が一人出来たのでありました、まる。 prev ![]() |