あれから数日たった今でも、クララに言われたことが頭にこびりついている。なに、じゃあやっぱりレアンはわざとああいう風に私を誘導して、公衆の面前で私に告白させるつもりだったの?そうとしか思えない。ああっむかむかする!わからないということが恐ろしくてたまらなかった。隣を歩いているなまえが不思議そうに私をみつめる。 「どうしたのアイシー。大丈夫?」 「私は大丈夫よ、心配ありがとう」 そうだ、なまえに心配かけてはいけない。それに今のままだとレアンに彼女をとられてしまうかもしれない。なまえは兄さんのことが好きだし(実際今も彼女は兄さんに猛アタック中だ)、そんな心配杞憂でしかないと思うのだけれど、心のどこかがざわついている。…仕方ない。私はなまえと別れて、そのままある場所へと向かった。プロミネンス区画、レアンの部屋である。 ノックをして部屋にはいると、女の子らしいベッドのうえにレアンは座っていた。「返事してないのに」レアンの言葉を無視して私は問いかけた。 「あんた、私がなまえを好きなのを知ってるでしょ」 「ええ、そうよ」 「…やっぱり、じゃああんたは私のライバルなのね。なまえは渡さないわ」 レアンは薄く微笑んだ。 「違うわ、私はアンタの味方よ、アイシー」 |