「あーあのクソアマ…思いっきり殴りたい」 「落ち着いてアイシー」 バニラアイスを口内で溶かしながらクララは私の腕を掴んだ。はなせええ! いとしいマイエンジェルは今現在レアンといちゃいちゃしている。最近はそればっかりだ。練習が終わって自由時間になると別のコースで練習していたはずのレアンはべたべたなまえに触れる。ヘンな空気がただよっていて、私以外のメンバーは近づこうとも思わない。「あっ、レアン頬にお菓子の欠片ついてるよ」「えー?とってとって」あんのバカレアン!自分で取れ!自分で!にやにや笑いながら、お菓子の欠片をとって口に含むなまえの髪をくすぐるレアン。まさか私と同じ性癖を持っているだなんて思いもしなかった。だって皆、レアンはバーン様のことが好きだと思っていたんだから。 「でもどうして今なのかしらね」 「え?」 「彼女前々からなまえのことよく見てたけど、今までは行動を起こさなかったじゃない?どうして今なのかなって」 「そんなのどうでもいいわよ!ああんなまえー!」 「…バーン様はともかくとして、レアンはねえ」 ぼそぼそと呟いて、クララはふたたびアイスを掬った。どうして今、って、なまえが一段と可愛くなったからじゃあないの?疑問を頭に押しやり、私は拘束が外れたのをいいことに彼女達の元へと向かった。愛する人を取り戻すためよ! |