徒然 | ナノ




没短編/夏未百合

2010/08/30 17:55(0)

(GL)


良い友達でいましょう、なんて、そんなのってないと思わない?私は友達以上の関係でいたいのに、彼女はそれを否定する。私の心は貴女を想ってならないのに、貴女は知らない男の事を考えるの?

どうして?どうして私を見てくれないの?その男は貴女を見てはいないじゃない、ねえ、貴女に向いてる恋の視線は、摘み取ってもらえないの?好きよ好き大好きなのよ、それなのに貴女はどうして私を好きと言ってくれないの?


ねえ、ねえ!聞いてるの、私は貴女を愛してる!貴女が想う男よりよっぽどよ!お願い、お願い、ねえ、私を見てよ!




「ごめんなさい」


泣きそうな表情を浮かべながら夏未はそう言った。


「私は、貴女を好きにはなれないの」
「わかってる!だって貴女は円堂君が好きだものね!分かってる、分かってるわよう…」

ぼろぼろぼろぼろ、涙がとめどなくこぼれて夏未の制服を汚した。私がきつく掴んだ夏未の首は赤く腫れて、ああ、まるでキスマークみたい!

「夏未、なつみい、私ばかだっ」
「どうして?」
「わたしいま、夏未を殺したら、一緒になれるだなんてばかなことかんがえた!」
「しょうがないわよ。私も同じ立場だったら、そうしちゃうかもしれないもの」
「うわああ、ああ、なつみ、なつみ!」

抱きしめた身体はあたたかくて、柔らかくて、私の想像していたとおりのいとしい感触だった。

「貴女は不器用なだけよ」
「でも、でも!夏未は私を見てくれない!」
「友達でいましょう?」
「私は貴女を一生好きでいる!誰よりも!」
「ごめんなさい、貴女は、愛されたいのよね」

慰めのキスなんていらない、いらないわ!あああああ、お願い、お願いだから私を愛して!誰よりも何よりも、私を!私なら一生幸せにしてあげられるのに!!!




好き好き愛してる。小説の上辺だけの言葉は紙のように薄っぺらいように私には思える。アイラブユー、それだけで伝わるのが恋だというのなら、私はどれだけ不毛な恋をしているのかしら!

抱きしめて、好きよとささやいて、愛して、キスして、彼女のふんわり甘い匂いを堪能したい。誕生日プレゼントに如何かしら、お金のかからない良心的なお願いだと思うわ。


女の子同士は恋をしちゃいけないなんて、そんなの誰が決めたの?同じ性を持って生まれたからって迫害される権利はないし、汚い目で見られる意味もない。だから私は貴女を抱きしめたいと思うし、キスをしたいと思う。あい、あい、あい。肌に立てた爪が食い込む痛みさえも甘美なキスへと変換されてゆく、あーあーあーあー聞こえていますか愛しい貴女、え、聞こえない?なら、言葉の代わりにたくさんのキスを送りましょうか!



情緒不安定なんだけど夏未の事はすっごい愛してるから!すきっ!だいすきっ!ねえ、愛してるわ!夏未はどう?私の事アイシテル?ねえ、聞いてるの?ねえってば!



たまにすごく変なのをかきたくなります

情緒不安定なヒロインと、彼女を肯定し否定する夏未さん。最初は短編に載せていましたがあまりに酷い文なので自重しました。
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