「何、あれ……?」
命は大量の魂を見て、状況の把握が出来ていないようだった。
「俺にもわからない。だから、あそこに行くんだ。」
リヒトはたくさんの魂が浮遊するその場所へ向かう。
命もついていく。彼の手は、リヒトの服を掴んでいた。
二人が魂たちの前まで来ると、今まで無造作に浮かんでいた魂は、左右に分かれ光の道をつくった。
「まるで、俺達を歓迎してるみたいだな。」
リヒトは呟く。きっと確信があるのだろう。命は胸騒ぎがした。
すごく、嫌な感じがする。
「ねえ、リヒト。僕、怖いよ。」
命は不安を口にした。するとリヒトは微笑んだ。
「大丈夫だ。お前は俺が守るから。」
その言葉に少し安心した。
きっと大丈夫。僕は信じてるから。
「うん。僕も君を守るからね。」
二人はお互いの信頼を確かめて、魂が作った道を進み出した。
青白い光が二人を照らす。命は眩しくて目を細めた。
これから何が起こるかわからない。そんな不安を抱きつつも、二人は魂が取り囲むその中心へと歩いていく。