○月×日 雨
今日は、私達の元主人(マスター)が死んだ日…
いや、殺されたと言った方が正しいのかもしれない。
「さあ、朝ご飯ができたよー!」
ソルトの呼びかけで、リビングにみんなが集まる。今日は、少し焦げている卵焼きだ。
いつもは私達もテーブルにつくが、今日は違う。
「あれ?棕櫚?ご飯食べないのー?」
エプロン姿のソルトの顔は何故か真っ黒だ。
一体何を作ればあんなになるのだか…
「今日は、少し出掛けてくる。…裏穹も、な。」
「…珍しいね。君が裏穹とお出掛けなんて。」
今日だけ、だ…そう付け足して私は玄関に向かう。
すると、ドタバタと階段を裏穹が降りてきた。
「ま、待て!棕櫚!我を置いて行く気か!
置いて行ったら殺すぞ?」
よくもまぁ、朝から物騒な事を言えるものだな…
そんなことを思いながら私はドアを開ける。
「では、行ってくる。」
傘忘れないでねーとのんきに私達を見送るソルト。