目が覚めたとき、自分は一人ぼっちだった

自分はいつ造られたのかもわからない遺跡の中にいた

そこはとても寒くて、子どもの自分にとっては寂しいところだった

遺跡から出ると、周りは一面の白
空からは白く冷たい粒が降っている

ここは、どこだろう

自分は何者なんだろう

なんのために生まれたんだろう…



生まれてから何日かたって、自分はポケモンだと理解した
人間とは違う、髪、目、容姿

でも人間はポケモンと仲良く生活している

うらやましかった
“愛されたい”
ただぬくもりが欲しかった
自分を認めてくれる人が欲しかった


なのに…
それだけなのに…




“化け物っ!!”


だなんて…



悲しかった
悔しかった
なんで、自分も同じポケモンなのに、愛してくれないの?


否定された
拒絶された









だから殺した





自分を受け入れてくれない奴は、全部壊した

足元はいつも赤い海が出来ていた

そんなことを繰り返していたら、何もわからなくなった
心にこみ上げてくるのは

“怒り”や“憎しみ”、“悲しみ”、そして愛されている者への“嫉妬”


日が沈むまでは嫉妬して、憎くて、イライラしてたくさん壊した
夜になると、悲しくて泣いた
もう、透明でしょっぱい涙は出なくて

次第に何故泣いてるかもわからなくなった
でも、何もわからなくていいと思った

だから

今日も赤い海を作る
自分を認めてくれる人が見つかるまで…













何年かたって自分自身も壊れ始めた頃、“父親”の存在を知った
その父親に呼ばれて、自分が生まれた遺跡に行った

やっと愛してくれる
そう思っていたのに、父親から言われたのは

「お前は危険すぎる。野放しには出来ない。」

たったその一言で…

自分の心は壊れてしまった

でも“創造神”と呼ばれる父親に勝てるわけも無くて

自分は生まれ故郷の遺跡に封じられた







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