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2月14日当日。

2つの水色の影がリュウラセンの塔の前に立つ。
手にはリボンのついたハート型の箱を持って。

「いくわよ。」

「うん。」

2つの影、灰音と灰歌はすう、と息を吸い込んだ。

「「ハッピーバレンタイン!!」」

二人は勢いよく門を開く。
ドォン……。大きな音が響いた。

門の向こうには、いきなりの出来事に驚き灰歌たちを見つめる白の竜がいた。

「……な、何事ですか。二人とも。」

白い竜、白謳は片手にフライパンを持っている。どうやら朝食の準備をしていたらしい。

「一体何事だよ!! 朝っぱらから!!」

怒鳴りながら二階から降りてきた黒い竜、黒詠は髪はぼさぼさだ。こちらは寝ていたようだ。

「しろ、しろー!」

灰歌は白謳の姿を見つけるなり、すぐに彼のもとへ走っていく。
灰音も黒詠のもとへ恥じらいながらも歩み寄る。

「しろ。今日はね。バレンタインなんだよ! だからチョコ作ったの! ボクの愛情たっぷりだから、受け取って!!」

満面の笑みでハート型の箱を白謳に押し付ける。






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