たくさんの板チョコを刻んでボールに入れる。
そしてお湯を張った違うボールにそのチョコが入ったボールをひたす。

お湯の熱により、とろり、とチョコが溶ければ再び甘い香りが漂い始める。

チョコをヘラで混ぜながら溶かしている灰歌と灰音。
すると灰歌が灰音の後ろに歩み寄り……。

「えいっ!!!」

灰音の背中をどんっと叩いた。

「きゃあっ!?」

集中していた灰音は驚き、振り返る。

「ぶっ! びっくりした?」

灰歌はくすくすと笑う。それを見た灰音は、無言でチョコのボールを持つ。

「……?」

きょとんとしている灰歌の顔面に、そのボールを投げつけた。

「うっさいのよっ!! 少しはおとなしく出来ないわけ!?」

「むぎゅ!?」

力いっぱいボールを灰歌の顔に押し付ける。チョコが流れ出し、灰歌を茶色に染めていく。
からんからん。ボールが地面に落ちた。
灰歌の顔はもちろん、チョコまみれ。

「……ぶはっ! 何その顔!! おもしろいにも程があるわ!」

その顔を見た灰音は大笑い。
灰歌は怒りで真っ赤になり、自分のボールを灰音に投げつけた。

「ぷぎゃ!?」

不思議な悲鳴と共に、灰音も茶色に染まった。

「あはは!! キミだって酷い顔じゃないか。女としてどうなのさ?」

顔についたチョコを舐めながら、灰歌は笑った。






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