洞窟の周りは白い雪に包まれ、真っ白に染まっている。
そう、ここは、イッシュ地方にあるジャイアントホールと呼ばれる洞窟。

そして明日はバレンタイン。
好きな人にチョコレートを渡すイベントだ。
その来るべきバレンタインに向け、二人の男女が競い合う。

「ていうか、なんでキミがここに居るわけ? ここはボクの場所なんだけど?」

先ほど怒鳴りあっていた彼らは、ジャイアントホールに住まう竜、キュレム。
水色の髪の青年、灰歌は片手にチョコレートが入ったボールを持っている。しかし、その中はこの世のものとは思えない色をしている。

「いいじゃない。私が材料とか台所とか準備してあげたんだから。」

どうやって洞窟に台所を持ち込んだのかはわからないが、よく見ると洞窟内には料理をするには十分な道具が揃っていた。
水色の髪の少女、灰音もまたチョコレートが入ったボールを持っている。灰歌のボール同様、おかしな色をしているのは言うまでもないだろう。

「あーあ。また作り直しじゃない。今度は邪魔しないでよね、灰歌。」

「それはこっちの台詞なんだけど?」

二人は再びチョコレートを作り始めた。






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