「ふん。あんな奴、大嫌いだ。」

海羅はムスッと頬を膨らませた。
驚いて飛び立ったキャモメ達がまた戻って来ている。

「なんだよ!! あっち行けよ!! 見せ物じゃないんだからさ!!」

ぶんぶん、と手を振り回し、キャモメ達に八つ当たりする海羅。まるで子どもみたいである。
キャモメ達は一声鳴くと、飛んでいった。















ひゅーん。

「なんなんだよ。俺なんかしたか? これだから海羅は……。」

ハイドロポンプに飛ばされ、未だ宙にいる陸奥。ぶつぶつと文句を言っているようだ。

その時

どかっ

「痛!?」

「ぬおぉう!?」

何かにぶつかった。確か自分は宙にいるはずだが?

「痛……って、陸奥!? なぜお前がこんなとこ飛んでるんだ?」

彼がぶつかったのは、緑の竜。辻風だ。彼は空の守人であり、陸奥達の保護者的存在でもある。

「お、おぅ。辻風。ちょっと海羅を怒らせちまったみたいでな……。」

辻風は陸奥を抱えて、地上に下ろしてやる。
陸奥の言葉を聞いて、またか……とため息をつく。

「……で? 今度は何をしたんだ?」

「なんか俺が悪いみたいな言い方だな。まぁいい。実は……。」

陸奥はあの事態に至るまでを話し始めた。







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