下甘となっております。
性描写はないですが、いつも通りの下です。
大丈夫な方だけ進んでください!





最後と最初の夜



俺は日本からアイルランドまでの長旅を終え、今は石畳の坂を上っている。
ミッションもなく日本の隠れ家にいようと思ったのだが、急にロックオンの顔が浮かんできたんだ。
そうしたら突然『会いたい』と自然に思って、気付いたら家を飛び出していた。
東京湾にある格納庫にいって、エクシアに乗り込みアイルランドへ飛ばした。
そうして俺は今、ここにいる。
何も考えず家を飛び出したため、いつも付けているストールしかなく、寒さに慣れない体は震えを止められない。
腕を擦りながら見覚えのある坂を上っていくと、右手にまた見覚えのあるアパートが見えてきた。
一度足を止めてアパートを見つめた後、階段を上り二階へと上る。
何となく気配を消しドアのチャイムを押すと、中から物音一つしなくなりジッと待つと、扉越しに声を掛けられる。

「どちらさん?」

外をうかがうような声の掛け方に気配を消さずに「俺だ」の一言を返すと、扉を思いっきり開けられた。

「せ、刹那!?なんでお前がここに?てかなんだよその格好!」
「……仕方なかった」
「はぁ?たく、お前さんは〜。まぁとりあえず入れよ」

その言葉に頷いて入ると、暖房がかかっているのか心地いい温かさが迎えてくれ、お気に入りのソファに座ると、後ろから腕が伸びてきて抱き締められる。

「こんなになるまで我慢するなよ。連絡くれれば迎えに行くのに」
「これか……」
「ん?なんだ?」

冷たくなった俺の手を握って温めているロックオンの手に触れる。
いつもは手袋をしている手だが、今は白く整えられている手が触れている。
そんな俺の行動を見ていたロックオンは、笑いながら俺の手にキスをしてきた。

「刹那ってほんと、俺の手が好きだな」
「…ああ」
「本当にお前は俺を煽るのがうまいな。無自覚が一番怖いって知ってるか?」
「無自覚じゃなければいいのか?」
「いや…それもどうだろうな」
「どっちなんだ」

真剣に考えているロックオンにキスをすると、目を大きくして頭を抱え込んだ。
俺は何かいけないことをしただろうか?
名前を呼ぶと力強く抱き締められ、ソファから抱き上げられて、寝室の方へと連れて行かれる。

「もう、するのか?」
「ブッ!!」
「なんだ?しないのか?」
「刹那…今晩は覚悟しろよ!姫納めと姫初めの両方するからな!」
「…俺は女じゃないぞ」
「よく知ってますとも!んじゃ殿初めだ!」
「好きにしろ」
「もちろん!!」

そして俺たちは疲れて眠るまで、夜を共にした。





〜fin〜

あれ?下くなってしまた…。でも時にはいいですよね?
殿初めはウィキで出てきました。
あ〜あ。今年最初のSSが下甘か〜〜。

今年もよろしくお願いします!!



平成22年1月1日 獅柳


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