書きたい所だけ書いてみる6


帝光中学バスケ部の合宿にて


バスケ部のマネージャーである黒子と桃井は汗を流す為、合宿所にある露天風呂に来ていた。
朝から晩までバスケづくしの日々のため、体力のない黒子にとって一日中というのはまさに地獄というものだ。
だが、そんな地獄にも耐え、今日一日を問題なく終える。予定だ。

「テツナちゃんの胸可愛い!!いつ見ても美乳だよね〜」
「桃井さんこそとても羨ましいです。僕はまだまだ小ぶりで…」
「え!?そんなことないよ〜。まだまだ成長するよ!」
「そうだといいんですが…」

女子らしい会話をしつつ、湯に浸かり体の力をようやく抜くことができ、空を見上げれば満天の星空が拝め、月も美しく輝いている。
フッと黒子は隣にいる桃井を見て、溜息が出そうになった。
中学生とは思えない色気を持ち、湯に浸かっている桃井の姿は美しいが、自分の体はどうだろうと思う。
Aカップの胸は服を着てしまえばすぐに隠れてしまうし、肉付が良くない体は女子特有の丸みもない。
そんなことを考え、気持ちが沈んでしまい、俯くと桃井が抱きついてきた。

「テツナちゃんの肌はいつ触ってもスベスベしてて羨ましいな〜」
「桃井さんでも羨ましいと思うことがあるんですか?」
「そりゃもう!あ、そうだ。聞いた話なんだけど、胸って揉むと大きくなるらしいよ?」
「本当ですか?」
「うん。だから試してみない?」

胸に触れていた手を少しずつ動かしてみると、感触も触り心地も申し分ない。
そのまま手を動かすと黒子が体を捩りだした。

「テツナちゃん感じちゃったの?可愛い」
「そんな…んっ…」
「素直に感じてくれて良いのに〜」
「あっ…ももい、さん…もう…あぅ…」
「テツナちゃんって敏感なんだね。可愛いな〜」

奇妙な笑い声を出しながら桃井は胸を揉む手を止めない。
その時、女子風呂のドアが勢いよく開け放たれ、2人はドアの方へ振り返る。
そこには下半身にタオルだけを付けた青峰が、今まで見たこともないような顔をして立っており、怒を含んだ声をはりあげた。

「さつき!テツナに何してやがる!!表出ろっ!!」
「変態!何勝手に入ってきてんのよ!しかもその格好のまま!」
「お前がいつまでもテツナにヤラシイことしてっからだろうが!それに、男子風呂じゃーみんな半立ちなんだよ!」

青峰は男子風呂の方を指差し、わめき散らす。
男子風呂と女子風呂は隣り合っていて、声は全て筒抜けなのである。
現在も。

「黄瀬にいたっては鼻血噴いてぶっ倒れるしよ!」
「男子が勝手に盗み聞きしてるから悪いんでしょ!ほんと男って最低!」
「……あの」
「なら隣に男がいる場所でんなことすんなよ!」
「うるさいわね!女同士も裸の付き合いが大事なのよ!ねぇ〜テツナちゃん?」

黒子の声も届かず、2人は激しく怒鳴りあっている。
しかし、そろそろ2人を止めないと黒子の限界がきてしまう。

「すみません…頭がクラクラしてきました……」
「「ええ!?テツナ(ちゃん)!」」

そして、黒子は意識を手放した。
やはり無事に一日を終えることはできなかった。



fin




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