2009/07/23 20:07
過去拍手A
![過去拍手A](//static.nanos.jp/upload/k/kuroinu05/album/4/0/20090723200813.jpg)
獅柳のせっちゃんです。
下はBA☆ナナのSSです。
幼稚園パロ。ロク+刹←ハムみたいな?
「先生、先生」
刹那が目を輝かせて俺を呼ぶ。
「どうした?刹那」
少しかがんで笑いかけると、刹那は手にギュッと力を入れて言った。
「おれの夢を聞いてくれ」
こうして子供が夢を語ってくれたりするのは嬉しいことだ。
ただ、刹那の夢を聞いた時はさすがにびっくりしてしまった。
「おれガンダムになりたい」
え…ガンダムって…あれか。最近やってるテレビアニメ。
「そ、そうか〜ガンダムになりたいのか!」
うーん、実在する職業じゃないし…むやみに応援してもいいのか?
すると、後ろから誰か近づいてきた。
「そうか。君はガンダムになりたいのか」
「あ、グラハム先生…」
刹那は先生に気づくと、俺の後ろに隠れた。
「私も毎週見ているよ、ガンダム」
「…先生も好きなのか?」
刹那が恐る恐る顔を覗かせる。
「そうとも…抱きしめたいな、ガンダムッ!!」
………
ええーーっ!?
何言いだすのこの人!
「…おれは…おれはガンダムにはなれない…」
刹那は泣いて走り去ってしまった。
「あ、刹那くん…」
「グラハム先生!!子供の夢を壊さないでくれよッ!!」
俺はほうきで先生を突いて撃退し、刹那を追いかけた。
「…刹那」
庭の木のそばで落ち込んでいた刹那の頭をそっと撫でる。
「大丈夫。あの先生は俺が見張っとくから、安心しろって!」
「先生…おれはガンダムになれるだろうか」
「ああ、刹那ならきっと立派なガンダムになれるさ」
そう言うと刹那は微笑んだ。たまに見せるこの子の笑顔はとても眩しい。
「おれ立派なガンダムになる!」
さっきは悩んだけど、それを聞いて安心した。
たとえ架空のものでも、刹那にとってそれが正義の象徴なら、そこにガンダムは存在するんだろう。
この子が将来何になってもそれは変わらないと思うから。
ただ、夢を追いかける純粋な気持ちを
俺は守っていこうと思うんだ。
〜おわり〜