復讐(鬼道)

ねぇ、気づかないでしょう
後ろから来ている、
私の体温も、笑い声も









「鬼道君っ!!」

「うぉっ!」




突然背後から抱きつかれて
思わず悲鳴を上げた




「うわ、首絞めすぎた
ごめんね鬼道君、びっくりした?」

「い、いや…大丈夫だ」






無邪気にはにかんで
首を傾げてくるのは、
今俺に抱き着いてきた名字

楽しそうな彼女の様子に
普段ならもっと
スムーズに接する事が出来るのだけれど









『ねぇ、鬼道君、気付かないでしょ?わからないでしょ?』





今日、見た夢に出てきていた彼女はとてもリアルで、とても恐ろしかった

思わずその夢を引き摺ってしまっていたらしい俺は
現実の名字に恐怖を感じてしまっていて






鮮明に、蘇る夢


鏡に映ったのは、血塗れの自分
恐ろしくなって思わず強く目を瞑ると、
途端に何もわからなくなって
背後から声がかかる

『ねぇ、気づかないでしょう
後ろから来ている、私の体温も、笑い声も』
振り向くとそこにあったのは名字の顔で

――暗転


目が覚めた
開けた視界に写るのは
名字名前の恐ろしい姿でもなく、
見慣れた、いつもの部屋の天井だった










「きーどーうー君っ!!」



パンっという小気味良い音で再び意識が覚醒する
恐る恐る顔を上げると、やっぱり普段の名字がそこにいて



「もー、鬼道君ぼーっとしてるんだもん!どしたの?考え事?」


あぁ、所詮夢か
そう安心しかけて、それは違うと直後に否定されてしまった






「駄目だよ鬼道君!目を閉じたら何もわからなくなっちゃうでしょ!」









復讐
 
 
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企画サイト『稲妻事変』様に提出!
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2011.08.20




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