愛し合うには近すぎて、罵り合うには遠すぎた(豪炎寺)

綺麗な、夕焼けだなあって
私は暮れゆく夕陽に、
はにかみを溢した


何度私は
こういう夕陽を
彼と、彼の隣で、
見ただろうと思案するけど

考えるだけ無駄だから
考えるの、やめた





遠くで、秋ちゃんが
私を呼ぶ声が聞こえる


振り向くと、


嬉しそうに笑顔で
手を振る秋ちゃんと、

その隣で
戸惑いながら秋ちゃんと手を
繋ぐ彼、豪炎寺がいた






嬉しそうな秋ちゃんとは裏腹に
気まずそうな豪炎寺






そんな二人に私は手を振りかえして、
帰路についた








―…いつも隣にいた
一番近かった豪炎寺と私

小さい頃からずっと私達は
一緒にいたのに、
それはある日唐突に壊れた



いや、壊されたんだ豪炎寺に

豪炎寺のたった一言で、
その瞬間の感情で
築き上げてきた友情とか
そう言うものを全て




きっと今、秋ちゃんが隣にいるって事は

豪炎寺はきっと
あの私に言った一言を
秋ちゃんにも言ったんだろう











私は、豪炎寺のマンションの前で
彼を待つ

ほら、やって来た


秋ちゃんを
家におくってきたらしい、彼が




別に秋ちゃんが嫌いなわけじゃない

だけど
秋ちゃんといる豪炎寺は
どうしても、吐きそうなくらい
嫌悪を感じる、だから








「…っ、名前、か?」





私は目の前に走ってきた
彼に右手を硬く握りしめた











愛し合うには近すぎて、
罵り合うには遠すぎた




(だから私は、彼を殴った)










痛むらしい頬を押さえて
呆然としながら、

動揺で見開いた瞳で
私を見上げる豪炎寺



独占欲とか愛情表現とか
私達、何も知らずに

だからこんな風に
変に歪んだんだよ


ねえ、悪いのは、どっち?






*********************

企画サイト「ばかじゃないの、」様に提出

豪炎寺と名前ちゃんは幼なじみで
中学くらいになって、いきなり豪炎寺にこくられた
付き合ったけど、恋愛なのか何なのかよくわからなくなって別れて、
悩んでいる自分とは裏腹に
秋ちゃんと付き合ってる豪炎寺が腹立たしくなって、こうなったと←

わけわからなくてすみません(´・ω・`)



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