ラブ周波数キャッチ!(南沢)




「暇、何か持ってねえ?」


差し出された、意外に大きな手

へ?と間抜けな声をあげて、顔をあげると
そこには気だるそうな顔で
こっちを見下ろす南沢先輩がいて



「え?あー…ひま…ですか……
…あ、じゃあこれ」



そんな南沢先輩の言葉に
必死で頭をフル回転させて、
ポケットに入っていたウォークマンを差し出した



「ん、ありがと」




受け取った南沢先輩は
さっさとそれを耳にあてて、
積み上げられたマットに寝転がった

…用無しとなってしまった
あたしと言えば、何もする事がなくて暇なので
誰かと話でもしてるか、なんて
適当に考えて部室を出た







「それで剣城がいきなり怒り出してきてさあ!!」

「えぇ!?……で?」

「その時いきなり狩屋が…「名字」



ボールをぽんぽん蹴りながら
にこにこしていた松風君を捕まえたのは
あの後すぐ

リフティングしながら
チームの話をけらけら笑いながら
しあっていて、早1時間


突然、腕をひかれて、名前を呼ばれて
振り向いてみると、そこには案の定、南沢先輩がいて



「ちょっと借りるな松風」

「あ、は、はいっ!」

「へ、せんぱ」

「行くぞ」

「…は、い」



無理矢理松風君から離されて
すたすたと進みだした

強く引っ張られた腕
この人らしくない強引な動作

新鮮なそんなことにびっくりして
思わず先輩?と呼ぶと
まるで恥ずかしがってるみたいな小さな声で先輩が呟いた




「いきなりいなくなって、
なんで他の奴の所いんの」









ラブ周波数キャッチ!



(アナタの言葉に一喜一憂)











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