SpecialShortStory
ルース新聞社の調査日記 - 3
「編集長っ!!
いったいどういうつもりですか! あんな騒ぎ起こして……」
部下に引っ張り込まれたのはいつも馴染みの、飲み屋。
昼間なのでまだがらんとしていた。
その中央で小さくなっている女編集長。
「悪かったって言ってるじゃないさ〜。
もうしないって。ねっ」
「…………はぁ〜。
本当に気をつけて下さいよ?」
部下の盛大なため息を気にする様子もなく、女編集長はいそいそと何かの準備を始めた。
「……何、やってるんです?」
「あ、アンタらも早く準備しなよっ!
今日は隊長各の受冠式があるんだからね。
せっかく招待状貰ったんだ。めかし込んで行くよっ!!」
―――懲りて、ない……。
泣きそうな部下の声はやっぱり女編集長には届かないようだった。
――――
正装した要人達が集まる聖堂。
受冠式は先程終わったばかりで、今は呑んで踊っての騒ぎだった。
「……すごい、歌姫のレイアまでいますよ」
「ふん、レイアの記事は結婚ネタで儲けたからもういいよ。
それよりブラックだよ。一緒に踊らないと……」
「…………は?
調査に来たんじゃないんですかっ?! 一緒に踊るって……」
部下が、食いかかって来た事に焦った女編集長は「これも調査だよ!」と言いながら人込みへと消えた。
調査2〜張り込み〜
……この辺りが、城の関係者のいる場所だね。
!! いたっ!
〜〜〜〜〜〜〜!!
いいっ!! 軍服いいっ!!
似合うねぇっ!!
いつもより凛々しいねぇっ!!
オレンジジュース?
お酒呑めないのかいっ。
……かわいいねぇ。
「こんな所にいた、編集長。ダメじゃないですか、ここ、僕達立入禁止ですよ?」
「うるっさいねぇ!!
邪魔すんじゃないよっ!」
「―――誰だ?!」
「「っ!!
ご、ごめんなさぁ〜いっ」」
・・・・・
「なん、だぁアイツら……」
ほっぺたに食べカスを付けた、第二部隊隊長ブラックはア然としていた。
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