SpecialShortStory
ルース新聞社の調査日記 - 1
「ほらぁっ!さっさと原稿あげちまうよっ!!」
レイガス帝国、首都。
レイガス城下街のとある新聞社にて、三十代の女編集長の怒声が響く。
綺麗に真ん中で分け、纏められた髪に、長身の背。
……自称、デキる女。
「――なんだい、この写真?」
一枚の、企画書を握り締め、女は歓喜に満ちた叫び声を上げた。
女がそのままの勢いで小躍りを始めた拍子に、その企画書がひらりと床に舞い落ちた。
漆黒の髪、漆黒の瞳をもつ少年。
目付きは悪いが、顔付きは悪くない。
こちらを睨み付けるような瞳。
「〜〜〜っ!!堪んないっ!!
よし、次の企画はこれに決定だよっ!
近衛第二部隊隊長ブラックの調査だっ!!」
女編集長の一言で、ルース新聞社の次の仕事は決まった。
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