SpecialShortStory
1周年記念企画 - 4
「あらぁ?」
ぞろぞろと連なって一行が訪れたのは、近衛第一部隊。
汗を流し、訓練に励む兵士が沢山いた。
その中で一際動きが鋭く、確実に訓練兵士を仕留める剣士が一人。
「相変わらずマジメだねぇ」
「!! ―――なんで皆気配も無く現れるかな。びっくりするんだけど。ねえ、ルーンさん?」
「まだまだ修行が足りないんだよテッドは」
ルーン、と呼ばれた女。
乳も尻も立派で、ウエストはきゅっと絞まっており、強い緑の瞳で妖艶な美貌の持ち主。
レイガス諜報部隊の隊長であり、先程の剣士の恋人。
「……他の皆さんが異常な強さなだけで、俺はいたって普通ですー」
「いや、お前は最近訓練を怠っているだろう。そうまで言うならば、来い」
「えっ……ちょ、レオン? 俺はそんなつもりで言ったんじゃ……」
「来い」
「拒否権、ナシっすか……」
テッド、30秒であえなく敗北。
「……弱っ」
「頑張った方じゃないのさ。レイガス最強の戦士レオン相手にさ」
「お疲れー」
「……リサちゃ〜ん? 君、俺の彼女だよね? 労りの言葉とかは……」
「ん? それとこれは別」
女神のような笑顔に、テッドいろんな意味で撃沈。
「だから修行が足りないと言っただろう」
がちゃり、と鎧を外すとレオンのたくましい体つきが現れた。
片目を失ったままで最強の座にいるのだから、彼の強さは半端じゃない。
黒い眼帯に隠されていない方の目が、笑った。
「昔に比べればいくらか強く、なったがな」
「――――!! ……よじ、次、行ごう!!」
「嬉しいなら正直に言えよ……。嬉し泣きかよ……」
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