SpecialShortStory
1周年記念企画 - 2
「あちらに見える、目付きの悪い黒髪の男がブラックです。あ、こっちに来る」
ドスドス、音をたてて近付くブラック。
その形相は鬼のような恐ろしさ。
ぴたりとリサの目の前で止まるとその足元にある荷物……もとい、テッドを睨み付けた。
勢いよく一息、吸い込む。
「――――てめぇ!! 軍務サボって何してやがんだコノヤロウ!!」
「いたっ!」
……この3人、実はまだ18歳という若さでレイガス帝国近衛隊の隊長と副隊長各。超多忙の身。
憤慨したブラック隊長の鉄拳をくらったテッド副隊長は、しばしの間お眠り……。
「うわ……目付きと口の悪さが3倍増しだわ。怖っ」
「うっせぇなリサ! お前も軍務どうしたんだよ? まさかあの可愛い可愛いサラ一人にやらせてんじゃ……」
「………そんな事言っていいの?アンタの真後ろにいるわよ(可愛い関係無いし)」
「いっ?!」
現れたのは、金髪碧眼の超絶美少女。
その額には、隊長の証である金色のサークレット。
「……ブラック、どうしたの? 顔真っ赤だよ?」
「ななっ、なんでもねぇ!!」
ブラックの唯一の弱点。それはサラ。
幼少の頃から好きで好きで堪らないらしい。
「……なのに、2人の仲が全然進展しないのはブラックがヘタレだから」
「うっせぇんだよテッド! いつもいつもオレをからかうな!!」
「「「だっておもしろいんだもん」」」
「っは?!」
揃って聞こえたのは、4人分の声。
リサは含むとして……サラはまず無い。では、あと2人は?
- 38 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
【戻】