SpecialShortStory
Summer,sunflower,and happiness - 2
「あ……ブラック、こっち!」
「おわっ!」
見えた。
私が、彼を連れて来たかった場所。
彼と一緒に、来たかった場所。
「ブラック!
目隠ししてて!」
「えぇっ?! 何でだよっ」
「いいからっ、早く!」
どうしても、見せたかったの。
一緒に、見たかったの。
……ふたりで、一緒に。
この場所で……この季節を、過ごしたかったの。
「まーだーかよー。
おぉっ、目隠し怖いな! 全然わかんねー」
「あははっ。待って、もう少し……」
目隠しをした彼。
自然と、手を繋ぐことになる。
しっとりと汗ばんだ手。
それが、とても心地よくて。
2人、笑いながら道を歩いてく。
目的地は、すぐそこ。
「ブラック、いい?」
「お、着いたのか?」
「うん。
目隠し取るよー……」
手を繋いだまま、彼の目隠しを取った。
私達の目に飛び込んで来たのは――――………
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