SpecialShortStory
Sweet Honey. - 4
「あ、の〜……サラ。ごめん、これ……」
「………ケーキ」
「はっ?」
素っ頓狂な声を出して、サラを見つめるブラック。
「〜〜〜〜ケーキっ!!
ブラックの、バースデーケーキだったのに!!」
「………オレの?」
「誕生日、8月でしょ。…絶対、忘れてると思ったからびっくりさせたかったのに。バカ」
頭を摩りながら立ち上がるサラ。
歩いて、無事だったある物を手にとる。
「もう、これしか残んなかったんだよ?」
サラが、ブラックの前に差し出したのは、ホワイトチョコレートで作られたプレート。
少し、不細工な文字で『HAPPY BIRTHDAY Black』と書かれていた。……ハート付きで。
「……さんきゅう。
……? あの、サラ?」
「今度は、ちゃんと食べて?
落とさないように」
口元に、そのまま持ってこられたので手に取ろうとするとサラがそれを許さなかった。
……このまま、食せと?
「イ、イタダキマス……」
観念し、ぱくりと食べると口に広がるのはちょうど良い甘さ。
「……美味い。やるじゃん、サ……ラ……」
「お粗末様デシタ」
にっこりと微笑むサラの頬に、いつの間に付いたのか、生クリームが。
「………」
―――ペロリ。
「っ?!」
「ん、うまい。
サラ、ありがとな?
………? ―――っ?!」
自然とやってのけた自分の行動に、頬を真っ赤に染めるブラック。
サラも負けない程頬を染めて、告げた。
「お、お粗末様デシタ……」
顔を合わせると、照れが込み上げてきたので、しばらくお互いの顔は見れなかったのは当然の話。
- 26 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
【戻】