SpecialShortStory
Reached feelings - 1
レイアに出会ったのは、3年前の――――冬のある日。
雪がまだちらついてて肌寒かったのを、覚えてる。
「覚えてろよクソガキッ!!」
バタバタと情けない足音をたて、男共が逃げて行く。
「はっ、その、クソガキに10人がかりでやり返されたのは、どこの、どいつだよ……っ、ってぇ〜」
寮にいたくなくて、何かと理由をつけては毎晩抜け出してた。
そして、この城下街で遊ぶ。
そんな毎日を繰り返してて、質の悪いのに目をつけられてたみたいだった。そんで、このザマ。
情けなねぇ〜……。
「ちょっと……大丈夫? 凄い怪我じゃない」
目の前には、サラを思わせるような、金の長い髪。
違うのは、それに緩くウェーブがかかってる事。
「―――誰、あんた。放っといてくんない?
こんなのたいしたことないから」
「……そ。
でも私が気になるから……立てる? 付いて来て」
有無を言わせず、手を引く美女。
夜に生きる女特有の化粧。けれどけばけばしくは無くて、華やかで……いい匂い。
だけど、強引で、おせっかい。
これが、レイアの―――
第一印象。
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