SpecialShortStory
Can't reach the feeling. - 8
―――――
「……」
どういう事? レイアさんが言っていた言葉の意味は……?
あんなに、テッドの傍に寄り添う事が出来たのに。
それでも、テッドの心の中のサラを消す事は無理だった…?
まぁ、もう関係ないんだけど。
「前見ないと危ないよ?」
「わ、ごめんなさっ………」
深く考え込みすぎて、ぶつかってしまった。
……よりによって、テッドに。
「……」
「………」
気まずい、沈黙。
「あ、あたし急ぐから。じゃあね」
あぁ……。また可愛くない言い方しちゃった。
「待ってくれリサ。話があるんだっ」
慌てて追い掛けてきてくれたんだろう。珍しく、小走り。
この恋を、諦めるって。決意したのにこんな小さな事で心が踊ってしまう。
「…何?
昨日の事だったら、謝んないから。レイアさん叩いた事、悪いと思ってないし(…さっきやり返されたし)」
違うんだ、と首を横に振るテッドに、軽く違和感を覚えた。
妙に真剣な表情。
名前を呼ばれて、不覚にもドキっとした。
「…リサ……。…俺の事が、好き…?」
―――っ?!?!?!
何言い出すのこのバカ男っ?!
咄嗟に隠そうと思ったけど、もう遅い。
きっと顔は真っ赤で、嘘をついてもすぐにばれる。
その証拠に、ほら。
テッドの怖い顔。
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