SpecialShortStory
Can't reach the feeling. - 7
―――大人げ、なかったかしら……?
いいわよね。
世界で、一番不幸なんです。って顔してるんですもの。腹が立っちゃったわ。
いなくなった恋人の代わり。
叶わない、初恋の人の代わりとして付き合い始めて。
いつの間にか本気で、十も年下の男の子に惚れ込んで。
必死に、私だけを見てくれるように頑張ったけれど。
テッドの、初恋の娘に対する想いは鎖のように重く、固くて。
私では、無理だった。
だからせめて、身体で繋ぎ止めようとした。
長く続く訳がないのに。
リサさんも、サラって娘も嫌い。
特に、……リサさん。
恋人ではないにしろ、リサさんに対するテッドの瞳は優しくて、愛が満ち溢れていた。
少しでも、テッドの心を動かす可能性があるのに、逃げてばかりで。
「レイア。用事は、済んだのかい?
陛下の所へ行こうか」
「あなた……」
私の、愛しい人。
テッドを想う気持ちからまるごと、私を受け入れてくれた。
そりゃあ、最初は無理だったけれど強く強く私を想ってくれる気持ちが、私の頑なな心を衝き動かした。
―――人の心は、いつの日か変わっていくものよ?
早く、テッドを初恋という名の呪縛から解き放ってあげて?
私では、無理だったから。
……でも、貴女ならば、もしかすると―――…。
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