SpecialShortStory
Can't reach the feeling. - 4





「何考えてんのアンタっ!!
テッドの為に戻ってきたんじゃないの?!」

「……私は一言もそんな事、言ってないわ。今回戻って来たのは結婚引退の宣言をする為よ。
それに、私達は3年前に終わってるわ。
今更、でしょう……?」

「っ……!!
だったら! 終わった事なら、尚更わざわざテッドにも言わなくてもいいでしょう?!
なんで、希望を持たせるような事っ…!!」



 結婚して、もう戻って来ないのなら勝手にすればいいのに。

 なんで、わざわざテッドに教えるの?
 なんで、わざわざ傷付けるの?



「別に、希望を持たせようとした訳じゃないわ? いつまでも昔の女を引きずって欲しくないから、貴女に頼もうと思って。

貴女なら、テッドを幸せにしてくれるでしょ…――――っ?!」




 ……素手で、人を叩くのはこれが2回目だった。

 慣れてないからか。
 掌が痛い。

 心が、……痛い。



「……ふざ、けんな……!! あんたがっ!!」

「落ち着けリサ。どうしたんだよ?」

「?! ………テ、ッド」



いつの間に戻ってきたのか、テッドがリサの腕を掴んでいた。



「………リサ。今はとりあえず城に戻れ。
リサ、行け」



 冷たい、テッドの目。
 


「っ……!」





 悔しい、……悔しい!!!

 誰よりも好きだって、自信はあるのにどうしてあたしの気持ちは届かないの?
 どうして、その手に抱かれるのはあたしじゃないの?




 こんな、苦しいだけの恋なんて……………







 いらない。





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