SpecialShortStory
Thousand Lights - 4
二人の、瞳を見て。
自分じゃやっぱり敵わないって、思い知らされた。
だからこそ。
これからもこの二人が揺るぎない気持ちを持ち続け、幸せである事だけを、願う。
「あ、おい、テッドっ」
ただ黙ってテッドはその場を去って行った。
リサは、その少し寂しそうな背中を見つめる事しかできなかった。
「……も、いいでしょ。明日もあるんだしもう寝るわ。アタシも」
「え、なんだよお前らが誘ったのに……」
「後ろ、気をつけてね。おやすみ」
?
リサの言葉の意味が掴めず、後ろを振り向く。
そこには―――…
「なぁにテメェら覗き見なんかしてんだよっ……!」
城中に、可哀相な男の断末魔が響き渡った。
この想いが叶わないのならば………。
君が幸せで、笑顔である事を、願う。
この、千の星が煌めく夜に誓うよ。
何があっても、どんな事が起ころうとも、君の幸せの為に。
君が笑顔で居続ける為に、君の、すべてを護ると。
例え、その想いが届かなくても―――…。
―――――<完>―――――
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