SpecialShortStory
Thousand Lights - 3





「だから、来てみたけど…。
あのブラックを覗く勇気は僕にはないよ……」
「まだ言ってんのかお前っ!」

「んじゃ、行こうかね」
「え、…ちょ、待て……よ?」



 また言い合いを始めた兵士二人を差し置いてスタスタと歩いて行くテッドとリサ。














 月明かりが眩しい夜。
 星が瞬き、流れていた。
 通路裏の茂みの奥には小さな噴水があり、二人は入隊後しばらく経ってから毎夜ここで語らいをしていた。




「でもよ、これ覗いたからって何か変わるか……?」

「……気の、持ちよう?」




 仲睦まじく語らう二人。そこには誰をも踏み込ませない世界があった。
 ブラックの瞳は、いつもからは考えられぬ程優しくサラを見つめていた。二人きりの時にしか見せない表情。


 それは、サラも同じだった。




「……なんか、傷付いたんだけなんですけど。
あれで付き合ってないって?」
「付き合ってないわよ。お互いの気持ち、知らないみたいだし。………ねえ、テッド?」

「あぁ」



 



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