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「………まだ寝てるし」

「珍しい。サラも寝てるじゃない」

「うん」




 2人の硬く握り会った手を見つめ、リサとテッドは吹き出した。



 あの時と同じだ、と。





・*.・:☆'.・*.・:★'



『………ここ、は?』

『起きたのね! あんた道端で倒れてて大変だったんだからー』

『そうだよ。感謝しなよ、サラに』

『サラ……? 誰だそれ』



 7歳児のリサとテッドは揃ってブラックの手元を指差す。


 いや、正確には……ブラックの手を握りながら眠る少女を。



『わ、わっ! こいつっ……!!』

『何〜?』


『(月の精霊っ!!)
 ……やっぱり幻覚だったか』

『なぁに〜?』


『ううう、うるせぇ! 放っとけよ!!』



 ぎゃあぎゃあと騒ぐブラックは憎しみを抱えていて。


 誰にも頼ろうとはせず、7歳には見えない程落ち着いていて……冷たい表情をしていた。

 そんな彼は当然の如く、学園に馴染めず、常に一人で居た。


 そんな彼を気遣い、常に傍にいたのが――サラ。






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