Present
キミが好き - 8
そっと瞳を開けて、間近にいるブラックの顔を見上げれば、私の大好きな漆黒の瞳は閉ざされ、綺麗に並んだ睫毛があった。
(睫毛長い……、っ!)
私の視線を感じたのか、瞼がゆっくりと開き、闇にも溶け込む漆黒の瞳が姿を現した。
その奥でキラキラと光る、水色の光。
あぁ、私の瞳だ。
「なぁーに見てんだよ」
「なぁんでもない」
漆黒の中、水色の光がキラキラ揺れてた。
「まぬけだから見んなよ」
「まぬけじゃないよ」
だって、長い睫毛に隠されていた瞳が現れた時、すごく胸が高鳴ったもの。
ブラックはバカにするだろうけれど、とても綺麗だった。
ぽすりとブラックの胸に頭を預けると、彼の鼓動を感じた。
ドクドク、ドキドキ。
私と同じ速い音。
「これからいっぱい一緒に出掛けようね」
「で、そのたびにバカップルごっこすんだろ?」
「そうそう、バカにされちゃうくらい見せつけちゃうの」
笑い合い、おでことおでこをくっつけた。
そうして互いに間近にある光を見つめながら、くちづけた。
もしまた邪魔されたとしても、今の私なら笑顔でかわせると思うんだ。
だって、ブラックも私と同じ気持ちを抱いているから。
二人でいる所、邪魔すんじゃねぇって。
きっと一緒に怒ってくれるから。
「ブラック、好き」
「オレも好きだよ、サラ」
私はブラックの、ブラックは私のだから。
邪魔しちゃだめだよ。
二人して暴れちゃうんだから。
だから、そっと遠目で見守るだけにしてて下さいね。
「サラ、こっち向けって」
「あ、ごめんね」
ね、邪魔しちゃだめだよ?
ブラックはヤキモチ焼きさんなんだから。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・Fin.〜・〜・
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