Present
キミが好き - 6
「次から次にうっとうしい!! 邪魔すんなっつってんだろうが!!」
「……ブラック……」
「見てわかんねぇかよ、今デート中。デ・エ・ト中」
言いながらブラックは私の腕を背後から取り、空いた手をお腹に添えてきた。
そして、顎を私の肩に乗せてきた。
「わっ」
再び混乱を始めた私に構わずブラックはまた口を開く。
耳元でブラックの声が聞こえて、思わず身体が震えてしまった。
「これ以上邪魔したら暴れるかんな」
んべ、っと舌を出して彼は言った。
続けて「街壊すぞこのやろうが」とも。
こんな事言ってる彼を諌めなくてはいけないのだけど、ブラックが触れてる所が熱くてしかたがない。
おかしいな、ブラックの熱に私もやられちゃったみたいだ。
「暴れちゃうからね。私からブラック取っちゃダメなんだから」
「そうそう。今度からオレらのことは空気だと思ってくれ」
じゃ、と手を振り私達は颯爽とその場を離れていく。
恥ずかしくなんかないもの。
これ以上邪魔されたくないんだもの。
「………」
「………」
私達の歩く速度はどんどん速くなり、大勢の人がぽかんと口を開けてるのを尻目に、角を曲がった。
思い切り。
なんの打ち合わせもしていないのにぐいっと横道に入った。
「………」
「………」
2人して座り込んで、互いの顔を見て。
「「は、恥ずかしかったー!!」」
熱い頬を押さえた。
公衆の面前で大胆なことをしてしまった。
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