Present
キミが好き - 1
大好き。
ずっと一緒にいようね。
+。・゚キミが好き゚・。+☆+・゚
「おかえりブラック隊長ー」
「おっかえりぃー」
ブラックと街を歩けば、必ず声を掛けられる。
若い人もお年寄り、幼い子ども達。
必ず色んな人に声を掛けられ、周りを取り囲まれる。
みんな笑顔で彼の帰りを祝ってくれるんだ。
そうして大勢の人に囲まれながら照れ笑いをする彼を見てると、心がほっこりして目が熱くなる。
彼は愛されている。
とてもとても、沢山の人達に。
「いやー本当によかったなぁ」
「本当本当。1年ぶりにサラ様の笑顔が見れて嬉しいよ」
「……え?」
ふと気付くと、私はがっちりとした体つきをした男の人に挟まれていた。
「あ、あの?」
「あの戦から抜け殻みたく元気がなかったので我々も心配していたのですよ」
「そうそう」
「す、すみません……」
小さくなってしまった私に、貴女が謝ることはない、と笑う二人組。
以前の私はそんなふうに映っていたのか。
恥ずかしくて顔が熱い。
きっと、顔が真っ赤になってる。
「ち、ちょっお前ら!」
「?」
聞き慣れたいつもの声よりも、少しだけ怒りを孕んだブラックの声が聞こえてきた。
何だろうと赤くなっている筈の顔を上げ、声音の先へと視線を移せば。
「……え?」
いつの間にこんなに囲まれてしまっていたのか。
多くの人が壁を作り、ブラックの姿はトレードマークである漆黒の髪の先しか見えない。
「なんだぁ?」
「喚いてるな、何か」
私の両隣に立っている男の人が言う通り、ブラックは何かをまくし立てている。
けれど、多くの人達で溢れているこの場所では喧騒の一部と化していて私達にはしっかりと届かない。
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