Present
You Are - 2
「よっ」
到着した瞬間、迎えてくれた声に気が抜けた。
声と同じように、おっとりとした表情で彼は私達をそこへと迎え入れる。
「テッド……ブラックは?」
「奥だよ、今寝てる」
飄々と言ってのけたテッドの頬が、赤く腫れている。
隣に立ってるリサの重たく冷たいようなため息が耳に届き、私もテッドも足が竦みそうになった。
……リサ、怒ると怖いんだもの。
「で? 今度は何なのよ?」
「んー……それ、言わなくちゃダメ?」
窺うように、怯えるように覗き込んできたテッドは「これでも大変だったんだからね、俺も」とぼやきながらリサの手を取り部屋を出て行こうとする。
慌てて後を追おうとすると、ぴしゃりと言われた。
「サラは、ブラックについてやってて?」と。
有無を言わせない、強い声音で。
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