Present
オニキスの少年 - 17




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 目を開いて数回瞬きをし、瞳に映っているのは見慣れた天井。
 物置で仰向けになっている体を上体だけ起こし、窓の外の太陽を見ると少し傾いていて、掃除をし始めて頃より何時間は過ぎているようだ。

 手の平はなにも掴んではいない。
 あのペンダントが入っていた小さな箱も見当たらない。

 夢、だったのかな、よくできた夢。


「リリアン、いつまで掃除しているんだよ。……ってサボって寝てたんかー」


 少年が物置の戸から顔だけ出して、こっちを見ていた。
 確かに黒髪だったがブラックの髪の毛ほど黒くなく、瞳の色もこげ茶色に近い。

 あおいは近づいてきて、あたしの前にしゃがみ、優しく膝に触れた。


「まだ治ってないんか」


 その言葉に驚いた、だって怪我をしたのは魔族に襲われたときで、あおいは知らないはずなのに。


「まぁ、階段から滑って落ちて作った傷だもんな。そんなに早く治るわけないか。ドジっ子メイドもいいかもな」




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