Present
You Are - 1
好きだなぁ、と思ったのはいったい、いつの頃からだったろうか?
出逢ってもう、10年。
何も変わらないこの関係にもどかしさを感じながらも、このままでいたい、と思うのも確かな感情。
なぁ……お前はどうだ、サラ……?
†You Are†
「サラ! ……ブラックがっ!!」
「――――え……?」
慌ただしく教室の扉を開け放ったリサの表情を見て、背筋に悪寒が走った。
彼に、何かあったのでは。
考える隙を与えずにリサは私の手を取り、駆け出した。
階段を駆け降り、廊下を駆け抜ける。
――――行く先は多分……ううん、きっと、あそこ。
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