Present
相互記念画オマケ話 - 3



「ほら、着てみたくなったであろう? 心配するな、我が弟よ。これはあおいの分さ」

 手渡された兄さんのTシャツ。

 相変わらず俺を見て笑っている。

「こんなもの着ることできるか!」

 Tシャツを投げ捨てて俺はそっぽを向いた。

「一回でいいのだ。着てみてくれないかね」

 兄さんは俺の足元に落ちたTシャツを拾い上げ、少し寂しそうな笑顔を浮かべてそれをまた俺の手に掴ませた。

「一回ぐらい着てあげればいいじゃない! 冷たい男ね、アンタは!」

 リリアンが俺の右脇に立って睨み付ける。

「お兄様のために一回着てあげてよー。お姉様も頼んでいるよ?」

 ララが俺の左脇に立って見上げる。

 正面には兄さん。

 三人の視線に耐えられなくなって俺は一つため息を漏らした。


「……わかったから」

 俺の言葉を聞いた三人は喜びの声を上げて手を取り合う。

「じゃあ着替えてくるから」

 兄さんのTシャツを持ってその部屋をあとにした。





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