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相互記念画オマケ話 - 1




[相互記念画]



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「あおいー、これを着てみてくれ!」

「やだよ」

 俺は兄さんに背中を向けたまま即答した。

 兄さんの作った服はろくなものがない。

「見てもないのに拒否をするなんて兄さん寂しいよ。今回はあおいが望むとおりにフリフリレースも何にもつけてない普通の本当に普通のTシャツにしたのだよ」

「普通って連呼しすぎ! 大体そんなレースの服なんてよく着ていられるよな!」
「うん? あおいは男の浪漫がわかっていないな。栄華と贅沢を極めたベルサイユ宮殿で日夜繰り広げる貴族達の社交界。そこで華を添えるのが麗しきこの衣装!」

 背中にものすごい兄さんの輝きというよくわからない重圧を感じる。

 兄さん、あなたっていう人は生まれる時代を間違えてしまった可哀想な人だね。

「わかったから。で、どんな服作ってくれたわ……」

 兄さんの方に振り向いた俺は兄さんを目にした瞬間から言葉は喉に引っかかり出てこなくなってしまった。

 頭部を鈍器で殴られたような衝撃が目から入ってくる。

 しばらくその後遺症で声が出ず、水から出てしまった魚のように口をパクパクさせる。

「兄さん……それは……」

 ようやく声を取り戻した俺は兄さんの服に人差し指を向けた。

 人差し指の向こうから見える女は満面の笑みを浮かべとても上機嫌そうである。

「兄さんだよ。先日この素敵な絵を頂いてね。その素晴らしさに感激してこうしてTシャツにして皆に配っているのだよ」

 俺は兄さんの背後で花が一斉に咲いたように見えた。





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