Present
You Are - 9






 傍で眠るサラを起こさぬように上半身を起こすと、ブラックはその寝顔を見つめた。






 知らないだろ、サラ。

 オレが、どんだけお前に支えられ、救われてるかを。





 くしゃり、と柔らかな髪を撫でてやる。




 さ迷い歩いていたオレにとって、この金色の髪が―――希望の光に見えたことも、知らないだろ?




「ん………ック…」

「……呼んだかよ……」





 ただひとりだけ。

 たったひとりだけの希望の光に、そっとくちづけを落とす。


 起こさぬよう、起きぬよう願いながら。




「んー……」


「ははっ、あーぁ、と……」




 寝ている彼女の顔は穏やかで。


 とてもとても、穏やかな笑顔で。







 堪らなく、



 好きだなぁ、と思った。







〜・〜・〜・〜・〜・〜・Fin.〜・〜・



⇒後書き


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