【裏切りの曜日】


次の日の火曜日、私が部屋で遊んでいると
ジンが物音をたてないようにこっそりと部屋を出ていこうとした。
気づいた私はそれを取っ捕まえた。それはもうすごい勢いで。


「ジン、遊びにいくのね。わたしもつれてって」

「げっばれた。てかお前勢い怖っ」


ジンはギョッとした後まためんどくさそうに顔をしかめて、しっしっと私を追い払おうとした。
とうとうこの扱いだ。私を何だと思っていやがる。許せん。絶対に離してやるものか。
大体なんで突然こんな頑なに断られなきゃいけないの?
なんなの、なんなの


「そもそも急に何でそんなに嫌がるの、昨日といい今日といい!」

「邪魔だからな」

「ちょっと泣いただけじゃない!」

「はいはい」


ジンは私の話を聞こうともしない。
そろそろ怒りもたまってきたので私はジンの腕をつねってやった。
やめろ痛ぇと言って軽く頭を叩かれた。暴力反対。
グッと睨みつけると、ジンはため息を吐いた。


「…わーったよ、連れてってやるから遊んだ後片付けろって」

「!!ほんとに?わかった片付ける!」


やっと許してくれたジンの手をあっさり離すと私は玩具の方へ向かった。
積み木をおもちゃ箱へ、ぬいぐるみをベッドへ、人形を棚の上へ戻す。
こうやってたくさん玩具はあるし、家の中も楽しいけどやっぱり私は外の方が好きだ。
だってあんなに自然があって前世とは大違いで、知らない動物もいっぱいいて、楽しいから。
昨日行けなかった分も楽しんでやろうとるんるん気分で部屋を片付けた。
そして、すっかり片して部屋を見渡したら、

ジンがいなかった。

私はそれを確認した瞬間ダダダダッと勢いをつけて廊下をダッシュし
玄関から丁度出て行こうとしているジンにタックルをかました。


「裏切り者ーーー!」

「うおっ」


危ないところだった!もう少しで裏切られる所だった!
私はまさかの裏切り行為に出たジンの背中をどんどんと叩く。


「嘘つきは泥棒のはじまり!さいてー!」

「わかった、わかったから叩くな!」


そう言ってジンは私の手を掴むともう片方の腕で私を抱えあげた。おお力持ち。
そしてそのまま部屋に戻ろうとしていたので私は訊ねた。


「行かないの?」

「ああ」

「ちぇっつまんないの」

「こっちの台詞だっつの」


ジンは今日も森に行かないらしい。
どうしちゃったんだろう…具合わるいのかな?
何か私悪いことしてる気分…


13126
裏切りの火曜日
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