しっくす!

「嘘だ!」



私がそう叫ぶと、三人は私を見た。
無表情で怖い。え…私そんなまずいこといった?
内心がくぶるしていると、パクが口を開いた。



「何が?i子」

「なにがって…団長がフラフープの練習してたってこと!!」



私が叫び声に近い声で抗議する。その時、



ドンドンっ!!



怒りを孕んだような音が響いた。音源は天井。
皆は私から目を離し天井を見た。私も天井を見た。
え、何今のドンドン…床ドンだよね明らかに。



「…………こ、コルトピ…?」



実は上の階に住んでいるのは可愛い可愛いコルトピであった。そう、可愛い、天使のような…
冷や汗を垂らしている私にシズクがあーあ、と言った。



「i子が煩いからコルトピが怒っちゃった」

「え…えええええっ」

「こんな夜中に大騒ぎだもの、当然だわ」

「えっいやだ、私は信じない!!」



コルトピが床ドンするなんて…!!
絶望している間も音は止まない。試しに黙ってみた。音は止んだ。
コルトピ…お前…!!



「そのまま黙ってな。ただでさえアンタ煩いんだから」

「えっ…私は君らのせいで騒ぐはめになってるんだけど」

「人のせいにするの?なんでも人のせいって、子どもみたい。」



シズクが咎めるように私に言う。その台詞にはデジャヴを感じざるを得なかった。
シズクの言葉にマチは頷き、パクも賛同するようにそうよ、と続けた。



「この前貴女があまりに煩いからって、貴女の隣の部屋のフランクリンが部屋を変えたのを忘れたの?」

「えっ!?それが理由だったの!?急に空き部屋になったからびっくりしてたんだけど」

「そうだよ」

「そんな……うわああああ!!!」



かなりショックだよ…!そんなに私は迷惑扱いされてたの…!?
私が悲しみに打ちひしがれていると、シズクが壁に耳をあてた。



「i子、ノブナガが」

「お前は黙ってろ!」

「ノブナガー、お前は黙ってろだってー」



遠くの方でなんだとぉ!?と聞こえた。
相当怒っているようだ。何を怒ってんだあのおっさんは。



「とりあえず再開しましょう」

「そうだね。i子、静かにしてるんだよ」

「あ、そういえば私見たんです」

「何?」

「実は…───」


私を邪魔者扱いするなら他所でやれよ!!
うわーん!!


130608

 
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