せぶんてぃーん!

「はい!みなさんいいですか〜?今日は私もガールズトークに参戦します!」



私が1人拍手をすると、いつものようにツンとしたマチさんが、頬杖をつきながらも「やっときたか」と呟いた。お?おお?



「え、待っててくれたの?まっちゃん待っててくれてたの!?いやー参ったなァわたしもマチのこと大好きだよ!感動!!すき!!!」

「ほんっとにうるさいねあんたは…」



マチちゃんは口の端を引き攣らせながら私をホールドしこめかみをグリグリしてきた。照れてるんですよこの子かーわいーよね痛い痛い痛い痛い痛い頭がひょうたんになる!!!
なんとか抜け出そうとするがマチのハイパー筋肉とウルトラ拳骨はあまりに強く、目尻を引っ張られ釣り上がらせたままぐねぐねもがいていたら視界の端でパクがぷっと隠れて笑っているのが見えた。おい!いつもクールで話スルーするくせに何だよ!今こそクールに行こうぜ!!笑うな!!
そしてシズクはと言うと、別に何にも起きてないみたいに頬杖をつきながら私とマチを眺めている。お前は何らかの反応をしめせ!具体的には私の心配をしようぜ!!



「ねえ、i子好きな人いるの?団長?」

「そうに決まってる。i子は昔から馬鹿だけど変なところでひねくれ者で、素直じゃないとこあるからね。」

「成程、混ざりたくても混ざれなかったんだ」

「いやいや話を勝手に進めるでない違いますよ」

「それじゃあどんな人なの?」



不思議そうな顔をするシズクとマチ。マジで世界の中心が団長だとおもってんなこの方々……いや、確かに団長はすごいし私も好き。それは認めるけどね、フラフープしたりお笑い番組の研究したりする団長は普通にアホです。私にとってはアホなのです。
それと同じで、私の好きな人、好きだった人は……マチ達にとっては、それよりも100倍くらい阿呆で馬鹿で、強くもないつまらない人かもしれないけど。だけどね、私にはその出会いは衝撃的で、私はその人のことをまるで神様みたいに素敵だと思えたんだよ。
恋は盲目。要するにそういうことだろう。



「あのね、わたし、何だかすっごい、素敵な人を見たんだ」



9時を回った私の部屋は、普段の私の部屋よりも幾分も彩を増す。
これから私が話すことは、女の子同士の────私達だけの、秘密のお話だ。


おしまい
170116

 
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