→人類最強生体兵器


※男主。ドM主人公





ある日、フェイタンが本を読んでいると何やら楽しそうな表情でナマエがやってきた。



「フェイタン、フェイタン」

「何ね」



本から顔を上げてナマエを見ると彼は何やら黒いものを抱えていた。
そしてそれをフェイタンに差し出してきた。フェイタンは小さく首をかしげる。



「何のつもりか?」

「あげるよ!」

「その前に何ね、それ」

「フェイタンに是非はいてほしくて」



フェイタンは、とりあえずずいっと差し出された黒いものを受け取った。
そしてそれをよく見てみると、ブーツだった。踵が高くなっている。フェイタンは顔をしかめた。



「……馬鹿にしてるか」

「?何が?」

「この踵」

「えっ何で、馬鹿にしてるわけないよ!」

「じゃあ突然何でこんなもの渡してくるか」

「えー」



何でこの人怒ってるんだろう…と思っていたナマエはしばらく考えて、そして気づいた。
ああ成る程、この人身長気にしてるんだ!



「ああ、違うよフェイタン」

「何が違うか」

「俺としてはフェイタンにそれをはいてもらって踏んでもらいたかっただけなんだ」



瞬間、ナマエは吹き飛んだ。無論フェイタンが蹴ったからだ。ナマエは壁にどかっと当たりうつ伏せに倒れる。
しかしすぐに顔をあげ、口から血を吐きながらも
怖い顔をしているフェイタンの方にグッと親指立ててみせた。



「相変わらずいい蹴りだ」

「しね」



そう吐き捨て冷たい目をしてナマエを睨むフェイタン。
ナマエは笑った。



「いい蹴りだったけど、ブーツ忘れてるぶっ!!」

「しね」



ナマエが言い終わる前に
フェイタンは思いっきりナマエの背中を踏んだ。そしてそのままぐりぐりと地面に押し付ける。



「ちょうど靴がきのうの仕事で汚れてたね、いい所に雑巾あて助かたよ」

「あっ痛い!なら是非ブーツを!折角盗ってきたんだから!踵!踵があるあうっ」



フェイタンがぐりぐりと踏みつけているとそこにマチが通り掛かった。そして二人を見てドン引きしたような顔をした後、フェイタンに声をかけた。



「何やってるか知らないけど、団長が呼んでたよ」

「今行くよ。もう少し待つね。こいつ懲らしめるべき」

「懲りるっていうかそいつ喜んでるけど」

「ああ…そだたね、こいつマゾだたよ」



フェイタンはまた冷ややかな目でナマエを見た。ナマエはにこにこと気持ち悪いくらい笑った。



「フェイタンはドSだよね!もっとやっていいよ!」

「お前をいたぶっても喜ぶからつまらないね」



もう一度力をこめてガッと蹴りを入れると
ハンッと鼻で笑ってフェイタンは去って行った。



「…邪魔するなよマチ」

「話しかけるな」

「どきゅん!」

「…はぁ、アンタ、本当に馬鹿だね」



だからこそ強いのか。



「強くないけどーそれはあるかもー」

「間違っても成りたくないけどね」

「そう?楽しいよー」

「近づくな」

「……あは、マチさんきびしー」


130308
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