良いとこばかり見える

「幸村くんの声ってさ、可愛いよね」

「そうかな。君の声の方が可愛いと思うけど」

「うーんやっぱり可愛いな」

「人の誉め言葉スルーとか君って失礼だよね、しかも俺の褒め言葉」

「幸村くんって声もだけど見た目も可愛いよね」

「え、もしかして俺の言葉は全部スルーしてるの?」

「可愛いって言うより美しい?うん、見た目美しくて声も可愛くて美しい。うわ、何か負けた気分。女として」

「ねえなまえ」

「肌も白くて綺麗だし、髪もふわふわだし…」



「俺の話、聞いてる?」



「(ビクッ)き、聞いてるよー…嗚呼、見た目と声に合わないそのどす黒さ。いや、寧ろそれがマッチしてるんだよねー」

「聞いてなかったんだね。そんな誤魔化し方しても逆効果だよ」

「えぇーっでも本当だよ」

「嬉しくないなぁ。どうせ誉めてくれるなら…」

「あ、ひとつ忘れてた」

「何?」

「テニスのときとか、かっこいいよね」

「……」

「声も笑顔も可愛くて美しいけど、やっぱりテニスしてる幸村くんが一番らしくてかっこいいよね。まあいつもかっこいいんだけど!」

「…そう」



なら、なおさらこれからもずっと続けなければ。



つまり君に夢中


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