良いとこばかり見える
「幸村くんの声ってさ、可愛いよね」
「そうかな。君の声の方が可愛いと思うけど」
「うーんやっぱり可愛いな」
「人の誉め言葉スルーとか君って失礼だよね、しかも俺の褒め言葉」
「幸村くんって声もだけど見た目も可愛いよね」
「え、もしかして俺の言葉は全部スルーしてるの?」
「可愛いって言うより美しい?うん、見た目美しくて声も可愛くて美しい。うわ、何か負けた気分。女として」
「ねえなまえ」
「肌も白くて綺麗だし、髪もふわふわだし…」
「俺の話、聞いてる?」
「(ビクッ)き、聞いてるよー…嗚呼、見た目と声に合わないそのどす黒さ。いや、寧ろそれがマッチしてるんだよねー」
「聞いてなかったんだね。そんな誤魔化し方しても逆効果だよ」
「えぇーっでも本当だよ」
「嬉しくないなぁ。どうせ誉めてくれるなら…」
「あ、ひとつ忘れてた」
「何?」
「テニスのときとか、かっこいいよね」
「……」
「声も笑顔も可愛くて美しいけど、やっぱりテニスしてる幸村くんが一番らしくてかっこいいよね。まあいつもかっこいいんだけど!」
「…そう」
なら、なおさらこれからもずっと続けなければ。
つまり君に夢中[ 15/16 ][*prev] [next#]
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