クロロ成り代わり | ナノ
念能力を考える話

【念能力を考える話】
*流星街時代


前世の私はごく普通の家庭で育ったごく普通の一般人というか、少なくともゴミ捨て場では育っていないわけで。
そんな贅沢者だった私はどうやら、今までとても狭い世界で生きてきたようだった。

念能力ってなんだ。んな魔法みたいなもんがあってたまるか。
それを初めて知った時そう叫びたくなったがその前に強い好奇心が働き、私は叫ぶ前に必死で修業をした。
そうして死にかけたりしながら身に付けた基本の…忘れた。まぁいいや。
それでこの前の水見式で何か自分が特質系らしい事がわかったのだが…

特質って、すごいんだけどなんか、技考えるのめんどくさくない…?



「うーん…」

「何唸ってるんだ?クロロ」

「あ、ノブナガ、ウボォーさん」



私が唸っていると、現れたおなじみの二人。
2人は大体いつも一緒である。友情っていいね…しみじみ。



「技を考えてたんです」

「おー、クロロは確か特質だったな」

「何か特質って、具体的にどうしたいかが浮かばないから難しい…」

「それで唸ってたのか」

「熱心だなあ」



ノブナガに偉い偉いと頭を撫でられる。
若干、っていうか普通に痛かった。乱暴で乱雑だ。髪がぐしゃぐしゃ。もう少し優しく撫でろ。
そこで思いつく。クロロにとっては二人は一応、一応人生の先輩なので、何かヒントを得られるのではないか。



「二人はもう考えたんですか?」

「いや、俺たちは強化系だからよ、技は必要ねーんだ」

「なるほど」



くっ…いいな強化系。私も強化系がよかった。
単純に強そうだし。面倒くさくないし。
私がまた考え込んでいると、今度はウボォーさんが私の頭をがしがししてきた。
兄貴って素晴らしいんだけど痛いですまじで。ノブナガより強いです。
首がとれるかと思った。



「まぁ頑張れよ」

「痛たたた…はい、ありがとうございます」



最後に肩をバシバシ叩かれて、肩の骨が悲鳴を上げている間にさっさと二人は行ってしまった。
うん、強化系の話は全く参考にならないな…ふりだしにもどる。さて、どうしたものか。
集中するために座禅を組んでいると、今度はフェイタンとフィンクスが現れた。



「お、何してんだクロロ」

「座禅だ」ドヤ

「何ね、それ」

「…私もよく知らないけど、集中力を高めるんだ」



私が適当な事をいうと、
フェイタンは何を思ったか私の隣に同じように座った。
沈黙。



「………」

「………」

「……で、何で集中してんだ?」

「あれ、何でだっけ」

「………」



座禅は失敗である。
いや、これフィンクスが邪魔したせいじゃない…?

その後、シャルの登場によりクロロの技が決まるのは、これからさらに数時間後の話。

130613

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