今日もヨークシンの街は結構賑わっている。
オークションの時期じゃなくてもここは都会だからね。
私は田舎で過ごすのが夢だけど、此処もなかなかいい街だといつも思う。


「ということがあったんだ…」


そんな賑やかさとは反対に私がぐったりしながらこの前の
“フェイタンとお出かけしたらシャルに高いパソコン買わされた事件”のことを言うと、隣にいたクラピカは
励ますようにぽんっと肩を叩いてくれた。


「今回も大変だったな…そんなことがあった後に私の買い物に付き合わせてしまってすまない」

「えっ、いやいや、俺の方こそいつもいつも愚痴ばかりで」


申し訳ない、そう言おうとする前に
クラピカはやわらかく笑った。


「お互い様ということだな」

「………」


何かドキッとした。
いや、別にときめいたわけじゃないんだからね!
……私がツンデレやってもびっくりするほど可愛くないな…


「?」

「あ、いや、そうだな。うん、じゃあ今日は俺が荷物持つからクラピカ自由に見てまわってくれ!」

「いや、それではお前が…」

「いいんだよ、いつも助けて貰ってるんだから俺にも偶には役に立たせてくれ」

「しかし…」

「クラピカ」

「……わかった」

「よし!今日はいっぱい色んなところまわろう!俺、クラピカとの買い物楽しいから好きだよ」

「、………そうか」


…な、なんだ今の間は…クラピカ嫌だったかな、
そう思って恐る恐るクラピカをみたが、下を向いていて表情は分からなかった。
え、焦る。いやいや、え、ど、どうしよう。


「…い、行こうか!」

「!ああ」


あ、よかった。笑ってくれた。
何と言うか、クラピカのことまだ全然良く知らないからところどころで不安だ。
ああそうか。私クラピカのこと知らないんだ。なんか今更気づいた。


「クロロ」


なんかさみしいなぁ、なんて思っていたら、
急に立ち止まったクラピカが私の名前を呼んだ。


「は、はい…」


ちょっとびっくりしてびくびくしながら返事をして
クラピカの表情を伺った。クラピカは、少し眉を下げて笑いながら続ける。


「…私も、」

「う、うん……(ごくり)」

「私も、クロロと出かけるのは好きだ」

「…!!ちょ、なんか、く、クラピカ…!!」


何か泣けてきて慌てた私を笑ったクラピカは
私を感動させるのがうますぎで何者なんだと涙をぬぐいながら思った。
なんでクラピカってこんなに私の言って欲しいこと私よりわかるの…!?
ほんと、極端なこと言うと、クラピカ旅団こないかな…!!


「た、たくさん、色んなところ回ろう!!今日は俺一日中クラピカについていくから!!」

「ああ、ありがとう。連れ回すから覚悟してくれ」

「ああ!」


さて、シャルもいないことだし楽しむぞこの野郎!!!

131220


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