【シャルと団長の絡みを他の団員視点】
「お前はっいつもいつも俺を馬鹿にして…!」
「えええ?してないよ。俺が団長をこんなに慕ってるのがわからない?」
「…本当か?」
「本当だよ。俺は慕ってない奴の命令を聞いたりしない」
「いつも聞いてないだろお前、嘘つき!」
「あははっ団長、疑り深すぎだって」
ある日の昼下がり。
旅団のアジトでわーわーと騒ぐ二人。否、クロロ。
その様子を遠くから見ていたノブナガは、感心したように言った。
「相変わらず仲がいいなぁ、あいつらは」
「ええ。シャルは昔から団長についてまわってたものね」
「へぇ、そうなんだ」
シズクは本から顔を上げて、シャルと団長を見比べた。それから、「ずっと一番仲良しなの?」と首をかしげた。その問いにマチはふい、と視線を下に向ける。
「まぁ…ぶっちゃけみんな、クロロにはついて行ってたけど。……それでもあいつが一番団長に引っ付いてたよね」
「あいつの団長好きは正直どうかしてるくらいだからな」
「あら、団長を好きなのはシャルだけじゃないわ」
「そりゃあそうだけどよ、見てて違和感感じるくらいにはあいつの団長好きはおかしいぜ」
「そうね、好きすぎるのね、きっと。団長もシャルナークに優しいし…」
「…団長はシャルに甘すぎね」
「おっフェイタンやきもちか?」
「……」
「…嘘だ嘘、そんな睨むなよ」
「わかればいいよ」
「それにしても、いつも二人で何話してるんだろうね」
「お前なんてもう嫌いだ!」
「それこの前も聞いた。そんな事より団長、そろそろ次の仕事の話をしたいんだけど」
「やらないと言ったはずだ!!」
「労働は人間の責務だよ、団長」
「こいつ…っ」
「…ほんと、楽しそうだね団長」
「シャルばっかりずるいなー」
シズクの言葉に頷いた者はいなかったけれど、数人が難しい顔をしたのをパクノダは見た。
パクノダは小さく笑って、呟くように言った。
「団長はやっぱり私達の団長ね」
※団員には会話がきこえていません。
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